昭和レトロな空間、生まれ変わります!
ブライダル写真や家族写真など、人生のかけがえない節目をあたたかな目線で切り取るフォトグラファーさん。築50年の木造一軒家をリノベーションして、撮影ができるスタジオにしたいとご相談を受けました。スタジオになるのは2階、二間続きの空間。室内はしばらく住む人もなかったせいで荒れていましたが、光はしっかり差し込む明るい環境です。さあ、ここがどんなふうに生まれ変わるのでしょうか。
いらないものを取り去り、「素顔」の箱に戻して
壁を抜き、押し入れを撤去し、天井も抜いて、すっぴん素顔のシンプルな箱に戻してみると、なかなかいい眺めです。窓枠にはまっていたレトロな模様ガラスは、もったいないので捨てずにそのまま使うことにしました。
壁と天井をひたすら断熱!
壁と天井の内装仕上げをする前に、みっちり断熱材を入れます。屋根から伝わる暑さ寒さを緩衝していた天井裏を抜くわけですから、この断熱をしっかりしないことには始まりません。快適性に大きく差がつく部分なだけに、見えないところも丁寧に施工します。
天然光をやさしく反射する白い天井に
断熱した屋根裏と壁を内装材で塞ぐと、三角屋根のシルエットを持った、約23㎡のシンプルな箱が完成!天井は古木を生かしつつ、新しく板を貼った部分は白くペイントしました。窓から差し込む光をレフ板のようにやさしく反射してくれます。
そして、お気づきでしょうか。階段の向きがビフォーとは変わっていることを!2階からの光が下階オフィススペースにもやわらかく降り注ぎ、心地よい空気感を醸し出しています。
床は無塗装の杉足場板で素朴に簡素に。階段には、オリジナルで造作したアイアン手すりをあしらって、ピリッとエッジを効かせました。古いガラスを生かした窓には、同じく古い障子の枠を白くペイントして再利用。なんだか、いつかどこかで見た和洋折衷の洋館みたいじゃありませんか?
撮影に訪れる方々の緊張をほぐして、ふっと笑顔にしてくれる……そんな空間になったと思います。きっと、ここから素敵な写真がたくさん生まれることでしょう。